長野県の阿部守一知事は、観光や介護などにおける人材の育成・受け入れ促進を目的として、13日から16日にかけてベトナムを3年ぶりに訪問した。阿部知事は14日にハノイ市でベトナム政府との覚書の締結、ベトナム政府要人との懇談および在ベトナム日本国大使館の訪問を行い、15日にはホーチミン市で市政府を訪問したほか、イオンベトナム幹部と懇談した。

 長野県と労働傷病兵社会省はハノイ市で14日、人材開発の協力に関する覚書に署名した。阿部知事は、これまで長野県は農業や製造、観光など多くの分野でベトナムと協力してきたとし、現在長野県では約3400人のベトナム人が居住・労働していると述べた。

ベトナム労働傷病兵社会福祉省は長野県と人材開発協力の覚書を署名した



 阿部知事は、日本で人材が不足している中、特に観光と介護の分野において長野県で働くベトナム人労働者の数を増やしたいとの考えを示した。同県では、住宅政策や労働環境の改善、外国人労働者支援センターの開設など、外国人が県内で働く際の支援策を多数設けているという。レ・タン・ズン労働傷病兵社会次官によると、ベトナムはこれまでに25万人以上の技能実習生を日本に派遣してきた。2018年には日本が受け入れた技能実習生全体の50%超にあたる7万人近くを派遣し、日本へ技能実習生を派遣した15か国の中でベトナムが最大の派遣国となった。

 ズン労働傷病兵社会次官は、今回の覚書が二国間協力の枠組みの確立や、長野県の観光・介護分野におけるベトナム人労働者・技能実習生の派遣・受け入れの協力および交流活動の促進につながるとし、日本へ渡ったベトナム人が母国に帰国した後、ベトナムの発展や両国間の友好関係の構に貢献するだろうと期待を示した。

 また、阿部知事はハノイ市で14日、グエン・スアン・フック首相と懇談した。懇談で、フック首相は阿部知事に対し、長野県でベトナム人の技能実習生の受け入れを拡大してほしいと提案した。さらにフック首相は、長野県がハイテク農業に強みを持つことから同分野での協力を強化したいと述べた。このほか、フック首相は、長野県を含む日本の農産物(リンゴやナシ)のベトナムへの輸入や、長野県内企業のベトナム進出についてベトナム政府が有利な条件を整えることを約束した。